●夏休み恒例宇宙研公開(080809)

:横浜でお昼まで用事があったのでその帰りに淵野辺で降りてJAXA/ISAS相模原キャンパスの一般公開をのぞいてみました。お昼すぎてもかなちゅうの無料送迎バス運行中で大変関心。
今年は滞在短時間でしたがその様子を見れたとこちょっとだけ。

14時以降構造試験機能棟で行われた「ハイブリッドロケット」と、M-Vに続く次期個体「イプシロンロケット」の初心者向けレクチャーを聞いてきました。


ハイブリッドロケットと言えばScaled CompositesのSpaceShipOneのパワープラントとして有名になった液体と個体の良い部分を掛け合わせたロケットです。水素やケロシンを液体酸素など酸化剤で燃やす液体ロケットは推力の調整再点火ができる反面、燃料・酸化剤ポンプ制御など構造が複雑で手入れが大変、固体ロケット燃料は構造単純でハイパワーですが、モロに爆発物なのでものすごく危険なんだそうで、ハイブリッドロケットはその点手間や構造のいいとこどり。
その歴史は古く戦前のドイツでは燃料になんと石炭(!)をつかったものもあったとか。現在はFRP樹脂や合成ゴムなどが「燃料」として研究中なんだそうですよ。

次に世界一の性能を誇ったもののコスト高ゆえ廃止となったM-Vロケットの後継、次期個体イプシロンは既存の技術(H-IIAのSRB-Aを1段目に流用)打ち上げに関わる手間、施設やメンテナンスを大幅に簡略化しコストを下げ、(打ち上げ能力はM-Vの2/3、コストは半分)短期間にどんどん科学衛星を打ち上げようという計画なんだそうです。最初のロケットは2012年に打ち上げの予定だとか。

今年はきれいなCG絵をプリントしたクリアファイルをレクチャー聴講者に配布し広報に力を入れてます。計画うまくいくといいね。

さて去年も紹介した「再使用ロケット」実験機ですが

現時点で次期実験機の飛翔テストに向け軽量燃料タンクやターボポンプなど各重要部品の試作、耐久テストなどを継続中とか。公開実験が待ち遠しいです。
こちらは5年後に高度100km(公称)を目指す実用部分を加味した実験機の風洞模型。

今年も再使用ロケット実験チームのかわいい広報用手ぬぐい(笑)もらっちゃいました。

いちばん最初のコピー誌「MUSES-C君の冒険日誌」からだいぶ版を重ねたチビっ子向けミッション解説絵本「はやぶさ君の冒険日誌」2008年版は地球帰還へ向けての新たな記述、赤外線天文衛星「あかり」ちゃんとの共同作業などが追加されてます。去年版はこちらで読めますので未読の方はどうぞ。何度読んでも泣けます。
そのMUSES-Cはやぶさ」を打ち上げたM-Vですが、10月にM-3SIIの隣に実物大模型を展示するんだそうでその台座だけ設置されてました。

あと、ハイビジョンのかぐや画像の大画面上映会とかみたかったんだけど今年は時間が無くて見れませんでした。そんなわけでまた今度。